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2017/05/20 8:38:39
初版 2012/03/04

わかるモンティ・ホール問題    
(わかるモンティホールジレンマ)

ベイズ推定

ベイズ推定の公式

インターネットでモンティ・ホール問題の解説を検索すると、 「ベイズの定理」 や 「ベイズ推定」 の公式がよく出てきます。
挑戦者が選んだ扉を扉1に限定した場合で、ホストが扉3を開けたときの、扉2が当たりである確率を求めるベイズ推定の公式  ( 正確には、ベイズ推定でよく使われる公式 ) は次のとおりです。

 P( 当扉2 | 開扉3 )  =  
P( 開扉3 | 当扉2 ) × P( 当扉2 )
P( 開扉3 | 当扉1 ) × P( 当扉1 ) +   P( 開扉3 | 当扉2 ) × P( 当扉2 ) +   P( 開扉3 | 当扉3 ) × P( 当扉3 )
  

P( 当扉1 ) , P( 当扉2 ) , P( 当扉3 ) というのはそれぞれ扉1,扉2,扉3が当たりである当初の確率です。
P( 当扉2 | 開扉3 ) というのは、扉3が開けられたときに、扉2が当たりである確率のことで、これから得ようとする値です。
P( 開扉3 | 当扉1 ) といのは、扉1が当たりのときにホストが扉3を開ける確率のことで、標準仮定のもとでは 1/2 です。
P( 開扉3 | 当扉2 ) といのは、扉2が当たりのときにホストが扉3を開ける確率のことで、標準仮定のもとでは 1 です。
P( 開扉3 | 当扉3 ) といのは、扉3が当たりのときにホストが扉3を開ける確率のことで、標準仮定のもとでは 0 です。

前に求めた標本空間の図からこの公式を求めることができます。

ベイズ推定の公式を標本空間の図から導く

ホストがハズレの扉3を開いたという証拠事象の範囲だけ切り出したところから始めます。
  当扉1 当扉2 当扉3
開扉3  1/6 1/3 0


この中の数字を計算式に置き換えます。
  当扉1 当扉2 当扉3
開扉3  P( 開扉3 | 当扉1 ) × P( 当扉1 ) P( 開扉3 | 当扉2 ) × P( 当扉2 ) P( 開扉3 | 当扉3 ) × P( 当扉3 )


確率の総和が1になるように調整します。
  当扉1 当扉2 当扉3
開扉3  P( 開扉3 | 当扉1 ) × P( 当扉1 )
÷
(  P( 開扉3 | 当扉1 ) × P( 当扉1 ) + 
 P( 開扉3 | 当扉2 ) × P( 当扉2 ) + 
 P( 開扉3 | 当扉3 ) × P( 当扉3 ) )
P( 開扉3 | 当扉2 ) × P( 当扉2 )
÷
(  P( 開扉3 | 当扉1 ) × P( 当扉1 ) + 
 P( 開扉3 | 当扉2 ) × P( 当扉2 ) + 
 P( 開扉3 | 当扉3 ) × P( 当扉3 ) )
P( 開扉3 | 当扉3 ) × P( 当扉3 )
÷
(  P( 開扉3 | 当扉1 ) × P( 当扉1 ) + 
 P( 開扉3 | 当扉2 ) × P( 当扉2 ) + 
 P( 開扉3 | 当扉3 ) × P( 当扉3 ) )


ホストが扉3を開けたときの、扉2が当たりである確率をこの図から求めると、先ほどのベイズ推定の公式と一致します。

結論

ベイズ推定の公式を使うということは、標本空間全体の確率を計算してから目的の「条件付き確率」を計算するのでなく、 標本空間の必要な部分だけの計算で済まそうとしていることに他なりません。
モンティ・ホール問題はそれほど大規模な問題でないので、ベイズ推定の公式など必要ないという人もいます。
また、モンティ・ホール問題を解くときは、次のように階層的に標本空間を分析する手法の方がベイズ推定の公式よりずっと便利です。



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