トップページに戻る
目次に戻る
わかるモンティ・ホール問題
問題のとらえ方のページで説明した 「とらえ方③」、つまり、 「ホストがいずれかのハズレの扉を開けることは最初から決まっていることだとして、 switch すると当たる確率を求めようとする」 とらえ方の場合、 前に上げた標本空間の図より単純な表を使って答えを出すことができます。
このような表は広く使われています。
例えばモンティ・ホール問題を有名にした米国PARADEマガジン上での論争(1990年~1991年)でも使われています。
最近の例では、2011年にNHKのためしてガッテンで使われています。
それではこの表と標本空間との関係を見て行きます。
各マスの数字は確率です。
開扉1に関する部分を取り除きます。(確率0だから)
次に開扉2と開扉3の区別を除きます。
行と列を入れ替えます。
[ 扉1, 扉2, 扉3 ] という扉空間の図を書き加えます。
右端の列を switch の結果に関する列に書き替えます。
こうして、扉と賞品の組合せ表が得られました。
この表を使ったNHKのためしてガッテンの説明の図を見ながら小野アナウンサーの説明を聞いてよく分ったという人が多いことからも、 標本空間だけの説明では理解しづらいが、扉空間の図を組み合わせると理解しやすくなることがわかります。
ためしに、冒頭に上げた表から扉空間の部分を省いて見ると、次のようになって幾分か理解しづらくなることがわかります。
おさえておきたいデマに進む
目次に戻る
トップページに戻る
2013/12/23 13:14:10
初版 2012/03/04
わかるモンティ・ホール問題
(わかるモンティホールジレンマ)
扉と賞品の組合せ表による方法
2013/06/15 に各とらえ方の表現を修正しました。問題のとらえ方のページで説明した 「とらえ方③」、つまり、 「ホストがいずれかのハズレの扉を開けることは最初から決まっていることだとして、 switch すると当たる確率を求めようとする」 とらえ方の場合、 前に上げた標本空間の図より単純な表を使って答えを出すことができます。
代表的な例
挑戦者が扉1を選んだとする。
3つのケースのうち2ケースで switch すると自動車を得るので、switch して自動車を獲得する確率は 2 / 3 となる。
扉1 | 扉2 | 扉3 | switch の結果 | |
---|---|---|---|---|
自動車 | ヤギ | ヤギ | ヤギ | |
ヤギ | 自動車 | ヤギ | 自動車 | |
ヤギ | ヤギ | 自動車 | 自動車 |
3つのケースのうち2ケースで switch すると自動車を得るので、switch して自動車を獲得する確率は 2 / 3 となる。
このような表は広く使われています。
例えばモンティ・ホール問題を有名にした米国PARADEマガジン上での論争(1990年~1991年)でも使われています。
最近の例では、2011年にNHKのためしてガッテンで使われています。
それではこの表と標本空間との関係を見て行きます。
標本空間の図から扉と賞品の組合せ表を導く
まず、標本空間の図(正確には場合分けの図)を用意します。各マスの数字は確率です。
当扉1 | 当扉2 | 当扉3 | |
開扉1 | 0 |
0 |
0 |
開扉2 | 1/6 |
0 |
1/3 |
開扉3 | 1/6 |
1/3 |
0 |
開扉1に関する部分を取り除きます。(確率0だから)
当扉1 | 当扉2 | 当扉3 | |
開扉2 | 1/6 |
0 |
1/3 |
開扉3 | 1/6 |
1/3 |
0 |
次に開扉2と開扉3の区別を除きます。
当扉1 | 当扉2 | 当扉3 | |
1/3 |
1/3 |
1/3 |
行と列を入れ替えます。
開扉2または3 | |
当扉1 | 1/3 |
当扉2 | 1/3 |
当扉3 | 1/3 |
[ 扉1, 扉2, 扉3 ] という扉空間の図を書き加えます。
扉1 | 扉2 | 扉3 | 開扉2または3 | |
当たり | 1/3 |
|||
当たり | 1/3 |
|||
当たり | 1/3 |
右端の列を switch の結果に関する列に書き替えます。
扉1 | 扉2 | 扉3 | switch の結果 | |
当たり | ||||
当たり | 当たり | |||
当たり | 当たり |
こうして、扉と賞品の組合せ表が得られました。
結論
扉と賞品の組合せ表とは、 標本空間の図に扉の当たりハズレのパターンを書き加えて、 [ 扉1, 扉2, 扉3 ] という扉空間も意識できるようにしたものだということがわかりました。この表を使ったNHKのためしてガッテンの説明の図を見ながら小野アナウンサーの説明を聞いてよく分ったという人が多いことからも、 標本空間だけの説明では理解しづらいが、扉空間の図を組み合わせると理解しやすくなることがわかります。
ためしに、冒頭に上げた表から扉空間の部分を省いて見ると、次のようになって幾分か理解しづらくなることがわかります。
挑戦者が扉1を選んだとする。
3つのケースのうち2ケースで switch すると当たりを得るので、switch して当たりを獲得する確率は 2/3となる。
switch の結果 | |
---|---|
扉1が当たりのケース | |
扉2が当たりのケース | 当たり |
扉3が当たりのケース | 当たり |
3つのケースのうち2ケースで switch すると当たりを得るので、switch して当たりを獲得する確率は 2/3となる。
おさえておきたいデマに進む
目次に戻る
トップページに戻る