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2013/12/23 13:14:08
初版 2012/03/03

わかるモンティ・ホール問題    
(わかるモンティホールジレンマ)

標本空間の図示



確率論の基本である「標本空間」の考え方に立脚すれば、 ベイズ理論もディシジョン・ツリーも使わずにモンティ・ホール問題を解く事ができます。
「標本空間」というのは、中学の確率の授業で習う「場合分け」を、連続変数も扱えるように一般化した概念です。
モンティ・ホール問題のように確率変数が少ない上に、確率変数の取りうる値の数も少ない場合には、 標本空間の中の素事象(これ以上細かく分解できない事象)を マトリックス状に配列すれば、各種の確率の計算を簡単に行えます。 しかし、モンティ・ホール問題に詳しいと自認している人たちでも、「標本空間」に着目するだけで解く事ができることを理解している人は非常に少なくて、 大概の人はベイズ理論を持ち出したり、ディシジョン・ツリーを持ち出したりします。 Wikipedia(日本語版)の「モンティ・ホール問題」の記事で、 Mizusumashi さんがこの方法を紹介しているのは、その珍しい例外の一つです。
それにちなんで、素事象をマトリックス状に配列して確率を計算する方法を「ミズスマシ法」と私は呼んでいます。

まず、標本空間を図示しましょう

数学的な「標本空間」の概念は、正確には「標本空間の上の事象空間の上の確率空間」という 非常にややこしいものですが、ここでは「場合分け」のことだと考えて単純化しましょう。
大事なことは、確率変数のとる値を組み合わせてマトリックス状に表示するということです。
もう一つ大事なことは、それ以上細かく分解できないまで、細かく場合分けするということです。

挑戦者が選んだ扉を扉1に限定すると場合分けが楽になります。 こうすると、賞品の配置される扉に偏りがあるような場合の分析力がなくなりますが、目をつぶります。

この解説記事は初心者向けのものなので、次のようなケースは無いものとして話を単純にします。
・ホストが扉を開けないケース
・ホストが挑戦者が選んだ扉や当たりの扉を開けるケース

理屈はこの辺にして、挑戦者が選んだ扉を扉1に限定して出来上がった標本空間 (正確には場合分け) の図は次のようになります。
  当扉1 当扉2 当扉3
開扉1 当扉1, 開扉1
0
当扉2, 開扉1
0
当扉3, 開扉1
0
開扉2 当扉1, 開扉2
1/6
当扉2, 開扉2
0
当扉3, 開扉2
1/3
開扉3 当扉1, 開扉3
1/6
当扉2, 開扉3
1/3
当扉3, 開扉3
0


この図の中の分数は、それぞれの場合の確率 (正確には挑戦者が扉1を選んだ後の確率) です。 例えば「当扉1, 開扉2」の確率が 1/6 だと書いてありますが、扉1が当たりの確率が 1/3 で、そのときホストが扉2を開ける確率が 1/2 なので、掛け算すると確かに 1/6 になります。 他の枠の確率についても検算して見てください。
これから、いよいよ、3つの問題のとらえ方ごとの答えを計算しますが、 その前に、モンティ・ホール問題の「標準仮定」を理解して置かねばなりません。

標準仮定に進む

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