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Nalebuff, Barry.(1989). の冒頭に出てくる問題文が次のような面白い構造になっているので、私は 「アリババ型の二封筒問題」 と呼ぶことにしています。
Wikipedia(英語版) の "Two envelopes problem" の記事 (01:06, 5 April 2014 の版) の "History of the paradox" の項によると、Barry Nalebuff が 1988年に発表した二つのパズルの 2番目の方にも、 Ali さんと Baba さんが出てくるらしいのですが、残念ながら見たことがありません。
同じ Wiipedia の記事によると、そのパズルが、今日の二つの封筒問題の元祖らしいです。 (元祖ではなくて原型の方なら、「ネクタイの問題」 や 「財布のゲーム」 が二つの封筒問題の原型に当たります)
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2014/04/26 21:02:37
初版 2013/08/29
アリババ型二封筒問題は非対称
Nalebuff, Barry.(1989). で紹介されている 「アリババ型の二封筒問題」 では Ali さんは常に交換すべきで、Baba さんは状況によるらしい。「アリババ型の二封筒問題」 というのは私の造語ですが、
Wikipedia(英語版) の "Two envelopes problem" の記事 (01:06, 5 April 2014 の版) の "History of the paradox" の項にも "Nalebuff's asymmetric variant, often known as the Ali Baba problem" という記述がみられます。
アリババ型二封筒問題
2014/04/26 に Nalebuff, Barry.(1989). の中の問題文に関する記述を改めました。Nalebuff, Barry.(1989). の冒頭に出てくる問題文が次のような面白い構造になっているので、私は 「アリババ型の二封筒問題」 と呼ぶことにしています。
- 二つの封筒の一つに Ali さんと Baba さんに金額が分からないようにしながらお金を入れて Ali さんに渡す。
- 二人に見えないようにコイントスをして、Ali さんと Baba さんに見られないようにしながら、表が出たら倍の金額、裏が出たら半分の金額を残りの封筒に入れて Baba さんに渡す。
- Ali さんと Baba さんが相手に見られないようにしながら、それぞれの封筒の中身を見る。
- 両者の合意の下、封筒を交換してもよいと二人に告げる。
Wikipedia(英語版) の "Two envelopes problem" の記事 (01:06, 5 April 2014 の版) の "History of the paradox" の項によると、Barry Nalebuff が 1988年に発表した二つのパズルの 2番目の方にも、 Ali さんと Baba さんが出てくるらしいのですが、残念ながら見たことがありません。
同じ Wiipedia の記事によると、そのパズルが、今日の二つの封筒問題の元祖らしいです。 (元祖ではなくて原型の方なら、「ネクタイの問題」 や 「財布のゲーム」 が二つの封筒問題の原型に当たります)
どのように非対象か
- Ali さんの立場で考えると、Baba さんの封筒の金額は確率
1/2 で倍、確率1/2 で半分なので、 交換して得る金額の期待値が元の金額の1.25 倍 となり、常に交換した方が有利である。 - Baba さんの立場で考えると、通常の二封筒問題と同様に、交換したときの期待値は、金額の確率分布によって変わるので、交換した方がよいかどうか一概に言えない。
例えば、金額が1, 2, 4 の3種類しか無ければ、Baba さんの封筒に 1 が入っていれば交換した方がよく、4 が入っていたら交換しない方がよい。
参考文献
-
Nalebuff, Barry.(1989).
The other person'S envelope is always greener. Jounal of Economic Perspectives 3 (1989) 171-181.
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