モンティ・ホール問題好きのホームページ    プライバシーポリシー

トップページに戻る
2014/03/31 1:40:51
初版 2014/03/30

条件付き期待値の期待値の問題にすると新種のパラドックス発生?

二封筒問題のパラドックスは、封筒の金額に対して、封筒を交換したときに倍になる確率と半減する確率が等しいと錯覚したために選んだ封筒の金額 x に対して選ばなかった方の封筒の金額の期待値を次のような式で計算してしまいます。

e = (1/2) (x/2) + (1/2) 2x = 1.25x

これに対して、条件付き期待値の期待値を求める式だったら 1/2 のままでも大丈夫な気がしますが、そうしたら新種のパラドックスができてしまいました。

Jeffery の計算式

Wagner, Carl G.(1999). によると、Jeffrey, R.(1995). の中に次のような式が出てくるそうです。

E(R) =
P(R = B/2)E(R|R = B/2) + P(R = 2B)E(R|R = 2B) =
P(R = B/2)E(B/2) + P(R = 2B)E(2B) =
½(½E(B)) + ½(2E(B)) =
1.25E(B) > E(B).


全体を通して見ると E(R) > E(B) すなわち、本来等しいはずの赤封筒の金額の期待値が青封筒の期待値を上回るというパラドックスになっています。

E(R) = P(R = B/2)E(R|R = B/2) + P(R = 2B)E(R|R = 2B) という式は
「青封筒の半額である赤封筒の金額の期待値」 と 「赤封筒が青封筒の半額である確率」 の積に、
「青封筒の倍額である赤封筒の金額の期待値」 と 「赤封筒が青封筒の倍額である確率」 の積を加えると 「赤封筒の金額の期待値」 になると述べています。

P(R = B/2)E(B/2) + P(R = 2B)E(2B) という式は
「青封筒の半額である赤封筒の金額の期待値」 を 「青封筒の半額の金額の期待値」 で置き換え、
「青封筒の倍額である赤封筒の金額の期待値」 を 「青封筒の倍額の金額の期待値」 で置き換えたものです。

½(½E(B)) + ½(2E(B)) という式は
P(R = B/2)、P(R = 2B) をそれぞれ ½ で置き換え、
E(B/2)、E(2B) をそれぞれ ½E(B)、2E(B) で置き換えたものです。

どこでずれてしまったのかは、これを読まれている方の楽しみにとっておきます。



参考文献



トップページに戻る