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2013/08/18 14:36:40

確率が 1/2 ではないことを背理法で論証

Martin Gardner によると、彼の数学パズルの読者が、3囚人問題で確率が 1/2 にならないこと納得させる論法を編み出したらしい。

念のため、3囚人問題についておさらいします。
3人の囚人A,B,Cがいる。 1人が恩赦になって釈放され、 残りの2人が処刑されることが 分っている。
だれが恩赦になるか知っている看取に対し、 Aが
「BとCのうち少なくとも1人処刑されるのは確実なのだから、 2人の中で処刑される1人の名前を教えてくれても 私についての情報を与えることにはならないだろう。 1人を教えてくれないか」
と頼んだ。
看守はAの言い分に納得して、「Bは処刑されるよ」と答えた。
それを聞いたAは、 「これで自分の助かる確率は1/3から1/2に増えた」 と喜んだという。
実際には、この答えを聞いたあと、Aの釈放される確率はいくらになるか。

---市川 伸一, 下條 信輔. (2010). 3囚人問題研究の展開と意義をふり返って .
'認知心理学研究. 2010, Vol. 7, No. 2, p.137-145 .

Marin Gardner の読者は次のような論法を提案したらしい。

看守が囚人Bが処刑されると告げたときに囚人Aの恩赦の確率が 1/2 になるのなら、  看守が囚人Cが処刑されると告げても同じ確率になるので、  もとから囚人Aの恩赦の確率が 1/2 だったことになってしまい、  もともとの確率が 1/3 であることに矛盾する

この論法の考え方は、ベイズ推定の公式の計算を逆にたどったものだと解釈することができる。
ベイズ推定の公式の事前確率の方を変数にして、事後確率から計算するように公式を変形すればよい。

この論法をモンティ・ホール問題に応用すると、次のような説明が出来上がる。

ホストが扉3を開けたら扉1が当たりの確率が 1/2 になるのなら、  ホストが扉2を開いても同じ確率になるので、  もとから扉1が当たりの確率が 1/2 だったことになってしまい、  もともとの確率が 1/3 であることに矛盾する


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