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そして手近な手帳の切れ端が何かを3枚の扉に見立て、どれか一枚の裏に当たりの印を着けてゲームの実演を開始したりする。
ところが、実際にやって見ると、相手が当たりを選んだときに悩むことになる。
開ける方のハズレを勘で決めたのでは確率が均平になるか自信が持てない。
つまり標準仮定を忠実に再現できそうにないのである。
挑戦者が当たりを選んだときにコイントスする方法もあるが、挑戦者がハズレを選んだときにもコイントスしたのではイカサマになる。
このコイントスする方法については、 Wikipedia(日本語版)の 「モンティ・ホール問題」 の記事の投稿者たちも悩んだらしくて、「ゲームのルール」 の項の既述が次のように変遷している。
注:
Wikpedia(日本語版)の「モンティ・ホール問題」の記事の ノート (投稿者たちの議論の場) を見ると、2006 年ごろに、コイントスしたらどの扉が当りか分かるのでプレイヤーは 100% の確率で賞品を得ることができてしまうと指摘されている。
この悩みを解決する方法を考案したので、ご紹介する。
扉の替わりに使うものはカードでも紙コップでも何でもよい。
挑戦者が当たりを選んだ場合に、挑戦者に気付かれないように腕時計の秒針の位置を見て
秒針が右半分を指しているか左半分を指しているかで、開ける方のハズレを決める。
挑戦者が当たりを選んだときには、ゲームが終った後で腕時計を使ったことを説明する。
挑戦者がハズレを選んだときには、ゲームが終った後で腕時計を使う必要がなかったことを説明する。
このような手順にすると、すっきりと、かつ公明正大にゲームの実演ができる。
しかし残念ながらこの方法にはゲームが終った後の種明かしで、本当にそうしていたのか疑われるという欠点がある。
封筒3つと大きな紙袋1つを用意する。
封筒を区別できるように封筒に番号を書いておく。
当たり券 1枚 とハズレ券 2枚 を用意して、挑戦者にわからないようにしながら、3つの封筒に1枚ずつ入れる。
挑戦者に封筒を選ばせて手に持たせる。
残った2つの封筒の中身 を、挑戦者にそれが何かわからないようにしながら紙袋に入れる。
残った2つの空の封筒をシャッフルする。
挑戦者にそれらの空の封筒の一つを脇に置かせる。
紙袋の中のハズレ券1枚を外に出す。
紙袋に残った券を挑戦者にそれが何かわからないようにしながら残った封筒に入れる。
挑戦者が持っている封筒と残った封筒を交換してもよいと、挑戦者に提案する。
このような手順にすると、ホスト役の自分に残す封筒に対する選り好みが無くなるので、安心してゲームの実演ができる。
しかし残念ながらこの方法には紙袋を使う理由をゲームの途中で聞かれるかも知れないという欠点がある。
2013/09/22 に下記を書き足しました。
この方法は選ばれなかった2つの封筒を1つに合体させる方法と等価なため、厳密にいうと「モンティ・ホール問題」とは別のゲームになってしまうという欠点もある、
区別できない封筒3つを用意する。
当たり券 1枚 とハズレ券 2枚 を用意して、挑戦者にわからないようにしながら、3つの封筒に1枚ずつ入れる。
挑戦者に封筒を選ばせて手に持たせる。
挑戦者に見えないようにしながら残ったハズレの封筒1つを開ける。
挑戦者に開けた封筒がハズレであることを示す。
挑戦者が持っている封筒と残った封筒を交換してもよいと、挑戦者に提案する。
このような手順にすると、封筒が区別できないのでホストが封筒を開ける癖に影響を受けなくなる。
しかし残念ながらこの方法には、封筒が区別できないという時点で既に「モンティ・ホール問題」ではなく、新種の変形問題でしかないという欠点がある。
2011年にNHKの「ためしてガッテン」で「モンティ・ホール問題」を取り上げたときも、きっとこの辺のところをボカしていたことだろう。
(私は番組を見ていないので定かでありませんが・・・)
やはり「モンティ・ホール問題」は現実には有り得ない想像上のゲームに関するパズルなのだろう。
しかし、今問題にしているのは、家族など知り合いに、1回ポッキリの実演を行うような場面である。
このような場合には、ホストが開ける扉を特定するような計算方法を説明しても意味がなさそうである。
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2013/09/22 9:31:25
均平に扉を開く方法
親しい人を挑戦者に見立て、自分がホスト役になってモンテl・ホール問題を実演したくなることがある。そして手近な手帳の切れ端が何かを3枚の扉に見立て、どれか一枚の裏に当たりの印を着けてゲームの実演を開始したりする。
ところが、実際にやって見ると、相手が当たりを選んだときに悩むことになる。
開ける方のハズレを勘で決めたのでは確率が均平になるか自信が持てない。
つまり標準仮定を忠実に再現できそうにないのである。
挑戦者が当たりを選んだときにコイントスする方法もあるが、挑戦者がハズレを選んだときにもコイントスしたのではイカサマになる。
このコイントスする方法については、 Wikipedia(日本語版)の 「モンティ・ホール問題」 の記事の投稿者たちも悩んだらしくて、「ゲームのルール」 の項の既述が次のように変遷している。
2005年に 「ゲームのルール」 の項が出来たときにはコイントスに触れていない
↓
同じ 2005年のうちに、 「4.ホストは景品のあるドアを知っていて、必ずヤギの入っているドアを開ける。」 の後ろに
「もし、両方ともヤギだった場合はコインを投げて決める。」 という既述が加わる。(注参照)
↓
2009年に、
「4.ホストは景品のあるドアを知っていて、必ずヤギの入っているドアを開ける。
もし、両方ともヤギだった場合はプレイヤーの見えないところでコインを投げて決める。」 という既述に変わる。
↓
2010年に、 「ゲームのルール」 の項からコイントスに関する既述が消える。
注:
Wikpedia(日本語版)の「モンティ・ホール問題」の記事の ノート (投稿者たちの議論の場) を見ると、2006 年ごろに、コイントスしたらどの扉が当りか分かるのでプレイヤーは 100% の確率で賞品を得ることができてしまうと指摘されている。
この悩みを解決する方法を考案したので、ご紹介する。
腕時計の秒針の位置を使う方法
この項は 2013/03/27 に修正しました。扉の替わりに使うものはカードでも紙コップでも何でもよい。
挑戦者が当たりを選んだ場合に、挑戦者に気付かれないように腕時計の秒針の位置を見て
秒針が右半分を指しているか左半分を指しているかで、開ける方のハズレを決める。
挑戦者が当たりを選んだときには、ゲームが終った後で腕時計を使ったことを説明する。
挑戦者がハズレを選んだときには、ゲームが終った後で腕時計を使う必要がなかったことを説明する。
このような手順にすると、すっきりと、かつ公明正大にゲームの実演ができる。
しかし残念ながらこの方法にはゲームが終った後の種明かしで、本当にそうしていたのか疑われるという欠点がある。
番号を書いた封筒を使う方法
封筒3つと大きな紙袋1つを用意する。
封筒を区別できるように封筒に番号を書いておく。
当たり券 1枚 とハズレ券 2枚 を用意して、挑戦者にわからないようにしながら、3つの封筒に1枚ずつ入れる。
挑戦者に封筒を選ばせて手に持たせる。
残った2つの封筒の中身 を、挑戦者にそれが何かわからないようにしながら紙袋に入れる。
残った2つの空の封筒をシャッフルする。
挑戦者にそれらの空の封筒の一つを脇に置かせる。
紙袋の中のハズレ券1枚を外に出す。
紙袋に残った券を挑戦者にそれが何かわからないようにしながら残った封筒に入れる。
挑戦者が持っている封筒と残った封筒を交換してもよいと、挑戦者に提案する。
このような手順にすると、ホスト役の自分に残す封筒に対する選り好みが無くなるので、安心してゲームの実演ができる。
しかし残念ながらこの方法には紙袋を使う理由をゲームの途中で聞かれるかも知れないという欠点がある。
2013/09/22 に下記を書き足しました。
この方法は選ばれなかった2つの封筒を1つに合体させる方法と等価なため、厳密にいうと「モンティ・ホール問題」とは別のゲームになってしまうという欠点もある、
区別できない封筒を使う方法
区別できない封筒3つを用意する。
当たり券 1枚 とハズレ券 2枚 を用意して、挑戦者にわからないようにしながら、3つの封筒に1枚ずつ入れる。
挑戦者に封筒を選ばせて手に持たせる。
挑戦者に見えないようにしながら残ったハズレの封筒1つを開ける。
挑戦者に開けた封筒がハズレであることを示す。
挑戦者が持っている封筒と残った封筒を交換してもよいと、挑戦者に提案する。
このような手順にすると、封筒が区別できないのでホストが封筒を開ける癖に影響を受けなくなる。
しかし残念ながらこの方法には、封筒が区別できないという時点で既に「モンティ・ホール問題」ではなく、新種の変形問題でしかないという欠点がある。
均平に開く方法の問題点
均平に開くスッキリした方法はないかも知れない
上で見たように標準仮定に忠実にモンティ・ホール問題のゲームを実演することは困難である。2011年にNHKの「ためしてガッテン」で「モンティ・ホール問題」を取り上げたときも、きっとこの辺のところをボカしていたことだろう。
(私は番組を見ていないので定かでありませんが・・・)
やはり「モンティ・ホール問題」は現実には有り得ない想像上のゲームに関するパズルなのだろう。
そもそも均平に開く必要があるのか
同じ相手と何度もゲームを行うような場合には、ホストの癖も重要なファクターになる。しかし、今問題にしているのは、家族など知り合いに、1回ポッキリの実演を行うような場面である。
このような場合には、ホストが開ける扉を特定するような計算方法を説明しても意味がなさそうである。
用語解説
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標準仮定
モンティ・ホール問題や3囚人問題を数学的に解くためには問題文に明示的に書かれていない条件を仮定する必要がある。
標準仮定はそうした仮定の一つであり、モンティ・ホール問題の場合、次のような内容となっている。
①当たり扉はランダムかつ等確率に設定される
②ホストは挑戦者の選んだ扉を開けない
③ホストは必ず残りの扉を一枚開ける
④ホストはハズレの扉しか開けない
⑤ホストは挑戦者の選んだ扉が当たりのとき、ハズレ扉をランダムかつ等確率に選んで開ける
⑥ホストは扉を開けた後に必ずswitchの機会を挑戦者に与える
1975年に モンティ・ホール問題を発案した Steve Selvin も、
1990~1991年に PARADE誌のコラム"Ask Marilyn"で論争した人々の多くも、
標準仮定のもとに議論していた。
標準仮定は当たり扉の配置や、ホストの行動パターンなどに完全な対象性を仮定しているので、数学的には最も単純な仮定である。
「標準仮定」(the standard assumptions)とは Wikipedia(英語版)の "Monty Hall problem"の記事で導入された言葉である。
3囚人問題の標準仮定は、「⑥ホストは扉を開けた後に必ずswitchの機会を挑戦者に与える」を除いたものになる。
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