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2013/08/18 14:36:33

「サーベロニ問題」という妙な名を思いついた生物学者

3囚人問題の別名に 「サーベロニ問題」 という奇妙な名称がある。 その由来を調べていたら、理論生物学者の John Maynard Smith に行き着いたが、かなりな大物らしい。

John Maynard Smith がそんな名を思いついたわけ

北イタリアのコモ湖のベッラージョ岬にロックフェラー財団のベッラージョ・センター(通称 "Villa Serbelloni") がある。
"Villa Serbelloni" はイタリア語で発音すると 「ヴィッラ・セルベッローニ」 であるが、英語で発音すると 「ヴィラ・サーベロニ」 になる。
Wikipedia(英語版) の "Brian Goodwin" (生物学者) の記事によると、このセンターで 1965年から 1968年に掛けての各年に、 "Towards a theoretical Biology" と銘打った理論生物学の学術会議が催され、John Maynard Smith も参加している。
そのうちの 1966年の会議が 「難破」 しそうになるほどの激論になったことにちなんで、 John Maynard Smith が "The Serbelloni probrem" という呼称を提案している。 Smith, John Maynard (1968).
「難破」 しそうになったのが  John Maynard Smith  本人の発表だったのかは、よくわからない。

"Villa Serbelloni" で検索すると "Grand Hotel Villa Serbelloni" の方が出てくるので注意が必要である。

John Maynard Smith は理論生物学の大物らしい

Wikipedia(日本語版)の "ジョン・メイナード=スミス"の記事を読むと、ゲーム理論など数学的な理論を生物学に導入した先駆者として重要な働きをしたらしいことがわかる。
同じ記事に、「血縁淘汰」、「進化的に安定な戦略」、「シグナル理論」、「有性生殖の進化」 といったキーワードが出てくる。

2001年に、 「進化的に安定な戦略の概念提唱による進化生物学への貢献」 に対して京都賞基礎科学部門を受賞している。

イギリス人だから Wikipedia(英語版)の "John Maynard Smith" の記事が充実しているのは当り前だが、その他の言語の Wikipedia にも20ヶ国語ほどの言語に渡って記事が書かれている。(2012年11月20日現在)

「サーベロニ問題」などという奇妙な名称を思いついた科学者は意外にも大物だったらしい。

John Maynard Smith  の提案は本気か

彼の提案文は "This should be called the Serbelloni problem since 云々" という強い口調なので、 あくまでもジョークとして書いたに違いない。・・・・・というのが英語力のさほど強くない私の説である。

この名称を使う人がいても不思議ではない

2012年11月に Google で検索した結果は次のとおり。

検索キー 「3囚人問題」 という呼称を
使っていない件数
「3囚人問題」 という呼称も
使っている件数
"Serbelloni Problem" prisoner 3 4
「サーベロニ問題」 10 4
重複した検索結果や読解できないページはカウントしていません。

私の予想以上に多くの人が使っていたので驚いたが、 John Maynard Smith がかなりの大物であることを考えれば不思議ではない。

文献



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