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2015/06/28 21:22:04
初版 2015/06/28

シンプソンのパラドックス

シンプソンのパラドックスの錯覚現象とモンティ・ホール問題の錯覚現象の間に類似性があるか知りたくて調べてみました。

シンプソンのパラドックスの概要

統計データをグループ分けしたときに各グループで共通な傾向があっても、全体ではそのような傾向がないということがあり得ます。
しかし、私たちは全体の傾向から各グループの傾向もそうだと予測したり、各グループの共通の傾向から全体の傾向もそうだと予測しがちなため、とても不思議です。
そしてこのような統計データの性質をシンプソンのパラドックスと呼ぶそうです。
これは医療など現実のデータを解釈するときに実際に起きる現象なので、気を付けなければなりません。

発見者

Wikipedia (英語版) の記事 "Simpson's paradox" (11:33, 11 June 2015の版) によると、下記が初期の発表だそうです。
つまりシンプソンのパラドックスの発見者は Simpson より 50年前の Pearson 達か、あるいはそれ以前の人だとわかります。

Wikipediaで調べた例

Wikipedia (英語版) の記事 "Simpson's paradox" (11:33, 11 June 2015の版) にたくさん載っている例の一部です。

実例 内容
大学院入学合格率の性差 1973年秋のカリフォルニア大学バークレイ校の大学院入学 全体では男子の合格率の方が女子より大きいが、学科別に計算すると、いずれの学科においても男女差がない。
(*1)
腎臓結石の医療効果と結石の大小 1986年に発表された論文の事例 大きな結石にも小さな結石にも処置Aの成績(効能のあった率)が処置Bに優るが、結石の大小で分けない場合には、処置Bが優る。
(*2)

(*1) 集計表を見ると女子の受験は合格率の低い学科に集まっています。

(*2) Wikipedia の記事の図表から集計表を起こして見ると、次のようなことがわかりました。

放送大学の講義に出て来た肉まんとお茶バージョン

2015年6月のテレビの放送大学でシンプソンのパラドックスを知りました。そのときの題材が 「肉まんとお茶」 だったので特に興味(食欲?)をそそられましたが、内容は覚えていないので、ネットで調べたところ、あるブログで紹介されていて、その内容は次のようなものでした。 集計表をよく見ると、次のようなことが原因だとわかります。

モンティ・ホール問題の確率の錯覚現象と似ているか

似ていない点

似ている点

私はモンティ・ホール問題の確率の錯覚現象の原因の一つとして、「確率」 を 「率」 としてとらえず、 「量」 あるいは 「保存量」 としてとらえてしまう 「客観確率幻想」 というものを考えています。
もしも 「確率の比較結果」 を 「率の比」 としてとらえず、 「量」 あるいは 「保存量」 としてとらえてしまう 「客観傾向幻想」 というものがあるとしたら、モンティ・ホール問題とシンプソンのパラドックスの間に心理学的な共通原理があることになります。

参考文献



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