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2013/11/02 20:53:52
初版 2013/10/20

二封筒問題攻略法

Thomas M. Cover が書いた "Pick the largest number" のアイデアを二封筒問題に応用しようとする試みがあります。私に分かった範囲をご紹介します。

私の目にとまった切っ掛け

Scientists crack 'two-envelope' problem

こんな目を引く見出しの新聞記事は、McDonnell, M.D. , Grant, A.J. , Land, I. , Vellambi, B.N. , Abbott, D. And Lever, K. (2011). に関するものでした。
この論文は Wikipedia() "Two envelopes problem" の記事(10:24, 5 October 2013の版) の "Randomized Solutions" でも紹介されています。

Thomas M. Cover 博士が提起した問題がこの論文のヒントになっているようです。

Thomas M. Cover 博士が提起した問題

1987年にアメリカの "Comunication and Conputations" という雑誌に Cover 博士が提起した問題は次のようです。

次のようにすると、もう一方の紙片の数値 B の方が大きいか否かを確率 1/2 より高い頻度で当てられる。 問題
この結果を「秘書問題」など一般の問題に応用できるか?

注:「秘書問題」とは秘書を求人したときに応募してきた人を順々に面接して、面接の場で採用不採用を決めなければならない場合に、早めに決めたらもっと優秀な人が後に来て後悔するかも知れないし、ぐずぐずしていると優秀でない人しか残ってないかも知れないという悩みを解決する問題です。

Cover 博士の解の説明

三つjの数値、A,B,Tの大小関係で次のように六つのケースに分けます。
ケース TとA,Bとの関係 金額順位(小から大) 判断 結果
1 どちらよりも小さい T,A,B  A > B  まちがい
2 T,B,A  A > B  正しい
3 中間 A,T,B  A < B  正しい
4 B,T,A  A > B  正しい
5 どちらよりも大きい A,B,T  A < B  正しい
6 B,A,T  A < B  まちがい

この表から次のことがわかります。 このように Thomas M. Cober 博士の解に従うと、完全に勘で決めたときよりも正解する確率が高いことがわかります。
しかし、TがAとBの間にめったに入らないような確率分布なら、さほど効果がないでしょう。

二封筒問題への応用

冒頭で上げたように新聞記事にもなり、Wikipedia(英語版)の "Two envelopes probrem" でも紹介されているMcDonnell, M.D. , Grant, A.J. , Land, I. , Vellambi, B.N. , Abbott, D. And Lever, K. (2011). はややこしい数式だらけなので飛ばし読みして目に入った内容をご紹介します。

比較しているスィッチング戦略


y は選んだ封筒の金額
Ps(y) はyの関数で、 交換を意味する1か、交換しないを意味する0 を値とする

負指数関数スィッチング negative exponential switching
Ps(y) = e-ay

しきい値スィッチング threshold switching
yがb以下のとき Ps(y) = 1
yがbより大のとき Ps(y) = 0

論文の結論

結論の部分で次のようなことを書いているようです。(あまりよく理解できなかったので自信がありませんが)

私の感想

金額の少ない方では交換した方が有利だが、そのしきい値がはっきりしないという問題を Cover 博士の原理でカバーしようとした研究なのでしょう。(一部ダジャレです)

参考文献



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