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※ 大文字、小文字だけでは足りないのでギリシャ文字も動員
以下はその抜粋。
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2013/08/18 14:36:39
大文字小文字で仮説事象と証拠事象を区別する書き方は楽だ
扉A が当たりの事象を A 、 ホストが扉A を開ける事象を a のように大文字小文字で仮説事象と証拠事象を区別して書くと、条件付き確率の計算式が格段に読みやすくなる。Steve Selvin の計算式で確かめて見た
世界初のモンティ・ホール問題を作った本人による計算式が Selvin, Steve (1975b). に書かれている。A = 自動車のキーが箱B にある事象 B = 挑戦者が箱B を選んだ事象 C = ホストが箱A を開けた事象 P(A|BC) = P(ABC) / P(BC) = P(C|AB)P(AB) / P(C|B)P(B) = P(C|AB)P(B|A)P(A) / P(C|B)P(B) = (1/2)(1/3)(1/3) / (1/2)(1/3) = 1/3この計算式に対して、仮説事象を大文字、証拠事象を小文字で書く方式を応用したら、次のようになった。
※ 大文字、小文字だけでは足りないのでギリシャ文字も動員
B = 自動車のキーが箱B にある事象 β = 挑戦者が箱B を選んだ事象 a = ホストが箱A を開けた事象 P(B|βa) = P(Bβa) / P(βa) = P(a|Bβ)P(Bβ) / P(a|β)P(β) = P(a|Bβ)P(β|B)P(B) / P(a|β)P(β) = (1/2)(1/3)(1/3) / (1/2)(1/3) = 1/3このように、 Selvin, Steve (1975b). のオリジナルの計算式より分かりやすくなった。
このやり方をとっている人たち
次のような論文やブログで見ることができる。-
Shimojo, S., & Ichikawa, S. (1989).
Intuitive reasoning about probability: Theoretical and experimental analysis of the “problem of three prisoners”. Cognition, 32, 1-24.
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Falk, R.(1992).
A closer look at the probabilities of the notorious three prisoners, Cognition, 43, 197-223.
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北九州市立大学(2013/06/01現在)の齋藤朗宏先生のサイト "Akihiro SAITO's Laboratory" の
"モンティ・ホール問題 | Akihiro SAITO's Laboratory" というページ
この方法の変形に、仮説事象の記号に "!" を添えて証拠事象を表記する方法もある
「八起数学塾」 というサイトの 「※状況を勘違いしてしまった場合その2 モンティ・ホール問題」 というページで使われている。以下はその抜粋。
「箱 A,B,C に当たり券が入っている」をそれぞれ a,b,c で、
「司会者が B,C の箱を開ける」をそれぞれ b!,c! で、
さらに and 条件は記号を並べて、例えば
「箱 A に当たり券が入っていて司会者が B の箱を開ける」を ab! で表すことにします。
似たような方法に、確率を表す記号 P の添え字の位置で仮説事象と証拠事象を区別する方法もある
挑戦者が扉1 を選んだ場合に限定すると、 例えば次のような書き方ができる。P1,2 = 扉1 が当たりでホストが扉2 を開ける確率この方法だと、P( A∩b ) のように括弧を書かなくて済むのでさらに楽である。
参考資料
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Selvin, Steve (1975b).
"On the Monty Hall problem" (letter to the editor). American Statistician 29(3): 134 (August 1975).
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