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2014/01/02 20:54:37
初版 2013/08/26

封筒を開けてから交換型の二封筒問題はモンティ・ホール問題にもっと似ている

「封筒を開けてから交換型」の二封筒問題独自の錯覚現象で、モンティ・ホール問題の錯覚によく似たポイントがいくつかあります。

正解を理解した後の不思議さに関する類似点

こららの現象を「課題空間」に着目して言い換えると次のようになります。

プレイヤーの数を増やしたときの類似点

「挑戦者が二人」のモンティ・ホール問題の方は挑戦者が一人のときと二人のときでまったく別の標本空間(場合分け)になることに気づいておらず、「封筒を開けてから交換型」の二封筒問題の方は、兄弟のどちらかを考えているときと、二人いっしょに考えているときでまったく別の標本空間(場合分け)になることに気づいていないという共通点があります。

しかし、よく考えると、
「挑戦者が二人」のモンティ・ホール問題では、挑戦者二人を含んだ一つの標本空間を考えないから不思議になるのであり、
「封筒を開けてから交換型」の二封筒問題では、兄弟それぞれで別々の標本空間を考えないから不思議になるので、
「挑戦者が二人」のモンティ・ホール問題の錯覚と、「封筒を開けてから交換型」の二封筒問題の錯覚現象が逆だということに気づきます。

「封筒を開けてから交換型」の二封筒問題では兄弟双方がともに交換すべきであっても不思議でない

「封筒を開けてから交換型」の二封筒問題では兄弟双方がともに交換すべきだというような事態がめずらしくないことを理解するには、次のような例が参考になります。

金額ペアの確率分布が次のようだとします。

金額ペア 出現確率
(1, 2) 1/3
(2, 4) 1/3
(4, 8) 1/3

このような確率分布で、兄弟の片方の金額が 2 で、他方の金額が 4 なら、それぞれの立場に立って考えると、両者とも交換した方が有利になります。
これを不思議に感じるのは、兄弟それぞれの金額の両方が分っている立場から離れられないためでしょう。

モンティ・ホール問題とは類似性のない独自のまどわしポイント

「封筒を開けた後に交換型」の二封筒問題は、錯覚から目がさめた人には、行動心理学的な問題になります。
上で述べた二人の兄弟とおじさんの関係でいえば、兄弟たちがおじさんの予算をどの程度と見積もるかによって、行動が変わってくるからです。
開けた封筒の金額が、ちょうど今必要としていた金額に近い場合に、半減することを恐れるか、倍増することを望むかによっても、行動が変わってきます。

こういった現象は、「封筒を開ける前に交換型」の二封筒問題にはありません。

おまけ:パラドキシカル分布で封筒を開けてみると

おじさんが無限にお金持ちで、無限に大きな金額を書ける小切手がこの世に存在するとすれば、開けた封筒の中の金額がいくらであろうと常に封筒を交換した方がよい確率分布を考えることができます。
 二封筒問題のパラドキシカル分布参照



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