モンティ・ホール問題好きのホームページ    プライバシーポリシー

トップページに戻る
2014/03/29 19:55:55
初版 2014/03/29

数学以外の問題になってしまった二人の子供問題

問題文の言い回しによっても確率がかわります。 現象の背景にある情勢判断によっても確率がかわります。

これは国語の問題だ

"Ask Marilyn" で Marilyn vos Savant と読者が議論した問題文が、マリリン・ヴォス・サヴァント著 「気がつかなかった数学の罠 論理思考トレーニング法」 東方雅美訳 中央経済社刊 (2002) で紹介されているので、要約すると次のようになります。

ペットショップにピーグル犬の子犬が二頭いるが店員は彼らの性別を知らない。
あなたはペットショップの店員に 「オスの子犬を一頭だけ欲しい」 と伝えた。
その店員が、子犬たちを風呂に入れている別の店員に 「少なくともどちらかはオスか?」 と電話で聞いた。
(私の注:アメリカは何でも広いからペットショップに内線電話があってもおかしくない)
その店員は電話を切ってからあなたに 「一頭はオスです」 と伝えた。
もう一頭がオスである確率はどのくらいでしょうか?

「もう一頭」 という文言があるので、この店員たちは あいまいなスミス氏の一族 ですが、もう一つ、重要な文言があります。

その店員は電話を切ってからあなたに 「一頭はオスです」 と伝えた。

これを読んだ人のかなりのパーセンテージが、 もう一頭はメスだと思ったことでしょう。  二頭ともオスならそう言うに違いないからです。 
スミス氏 (確率 1/3) だと思っている Marilyn vos Savant に対して、ジョウンズ氏 (確率 1/2) だと思っている読者から多くの反論が来たことが 「気がつかなかった数学の罠 論理思考トレーニング法」 を読むと分かりますが、読者の意見にも一理あります。

いや、これは経済学の問題だ

上の問題文を読んだ人のいくらかのパーセンテージは、 ペットショップにおいている子犬はオスが多そうだとか、 ペットショップにおいている子犬はメスが多そうだとか、 思ったことでしょう。

いや、これは答えの定まらない問題だ

上の問題文を読んだ人のいくらかのパーセンテージは、 電話の向こう側の店員が二頭いっしょに洗っている場合はスミス氏 (確率 1/3) だが、 順々に洗っている途中の場合はジョウンズ氏 (確率 1/2) だと思ったことでしょう。

火曜日生まれの男の子の問題も国語の問題だ

次の二つの問題も紛らわしいですが、確率がちがいます。

私には二人の子供がいます。少なくとも一人は火曜生まれの男の子です。二人とも男の子である確率はどのくらいでしょう?

この場合の確率は
   (1-(6/7)(6/7)) / ((1-(6/7)(6/7))+(1/7)+(1/7))
   = 13 / 27
になります。

私には二人の子供がいます。一人は火曜生まれの男の子です。もう一人が男の子である確率はどのくらいでしょう?

この場合の確率は 1 / 2 になります。

トップページに戻る