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金額を2の非負整数乗に限定し、前後する金額ペアの確率比が一定という条件でやってみました。
この金額分布について別ページ 二封筒問題のパラドキシカル分布 で紹介しています。
このような分布が成立するためには次の級数和が収束しなければなりません。
an のn = 0 から ∞ までの級数和
「ツエ&トキ」さんによる「理系インデックス」というサイトの「解析学(微分積分)インデックス」の「無限級数、収束の判定、e の定義」というページによると a が 1 より小さいことが条件になります。
この場合の交換期待倍率 (選んだ封筒の金額が最小の場合を除く) は少額側ペアと高額側ペアのオッズが 1 対 a なので、
(1/2) ( 1 / (1 + a) ) + 2 ( a / (1 + a) ) =
( (1/2) + 2a ) / (1 + a) =
(1 + 4a) / (2 + 2a)
よって、a を 1 に近づけると交換期待倍率 (選んだ封筒の金額が最小の場合を除く) が5 / 4 に近づきます。
ということはなんと、二つの封筒問題のパラドックスでの錯覚に基づく交換期待倍率 1.25 に近づきます!!!
このことは、至るところで相前後する金額ペアの確率比が 1 に近づくことに気づくと不思議ではありません。
b = 1 - 2/3 = 1/3 となって、上記の Broome,John.(1995). の金額分布と一致します。
a = 0.9999999999 のときはb = 0.0000000001 となって、至るところでほぼ確率ゼロとなります。
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2013/12/23 20:04:36
初版 2011/11/12 23:38:20
パラドキシカル分布の交換期待倍率はどこまで大きくできるか
パラドキシカル分布で、封筒を交換して半減する確率をぎりぎりまで下げて1/2 に近づけると、交換したときの倍率の期待値が最大になると思います。その値はいかほどか、Broome,John.(1995). の中に出て来る一番単純なパラドキシカル分布で計算してみました。金額を2の非負整数乗に限定し、前後する金額ペアの確率比が一定という条件でやってみました。
Broome,John.(1995). の一番単純なパラドキシカル分布
n を 0 以上の整数として、封筒に (2n, 2n+1) の金額のペアが入り、各ペア (2n, 2n+1) の出現確率が (2/3)n/3 であるような金額分布
この金額分布について別ページ 二封筒問題のパラドキシカル分布 で紹介しています。
この分布では前後する金額ペアの確率比 2/3 をもっと 1 に近づけられないか
相前後する金額ペアの確率比を変数にしてみます。n を 0 以上の整数として、封筒に (2n, 2n+1) の金額のペアが入り、各ペア (2n, 2n+1) の出現確率が an の定数 b 倍であるような金額分布
このような分布が成立するためには次の級数和が収束しなければなりません。
an のn = 0 から ∞ までの級数和
「ツエ&トキ」さんによる「理系インデックス」というサイトの「解析学(微分積分)インデックス」の「無限級数、収束の判定、e の定義」というページによると a が 1 より小さいことが条件になります。
この場合の交換期待倍率 (選んだ封筒の金額が最小の場合を除く) は少額側ペアと高額側ペアのオッズが 1 対 a なので、
よって、a を 1 に近づけると交換期待倍率 (選んだ封筒の金額が最小の場合を除く) が
ということはなんと、二つの封筒問題のパラドックスでの錯覚に基づく交換期待倍率 1.25 に近づきます!!!
このことは、至るところで相前後する金額ペアの確率比が 1 に近づくことに気づくと不思議ではありません。
検算、その他
a = 2/3 のときはa = 0.9999999999 のときは
参考文献
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Broome,John.(1995).
The Two-envelope Paradox, Analysis 55(1): 6-11.
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