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2013/10/06 11:31:24

標本空間と扉空間を組み合わせる説明方法

モンティ・ホール問題の非条件付確率の問題設定での代表的な説明図と、Wikipedia(英語版) の "Monty Hall problem" の記事の  特定事象による条件付確率あるいは事後確率の問題設定での説明図の間に、意外な共通点がある。
下記に示すように、どちらも標本空間と扉空間を組み合わせて図解していたのだ。

①非条件付確率の問題設定での答えを扉と賞品の組合せ表を用いて説明する方法

挑戦者が扉1を選んだとする。
扉1 扉2 扉3 switch の結果
ケース
1
自動車 ヤギ ヤギ ヤギ
ケース
2
ヤギ 自動車 ヤギ 自動車
ケース
3
ヤギ ヤギ 自動車 自動車

3つのケースのうち2ケースで switch すると自動車を得るので、switch して自動車を獲得する確率は 2/3となる。

PARADE誌のコラム "Ask Marilyn" で繰り広げられた論争における、1990年12月のMarilyn vos Savant の解答は、ここに上げた表とほぼ同じものである。(vos Savant, Marilyn (1990b).)
NHK「ためしてガッテン」の平成23年の7月の放送でも、同様な図を使って説明がなされている。
 

ちなみに、上の図から扉空間の部分を除くとこうなる。
挑戦者が扉1を選んだとする。
switch の結果
ケース1 扉1が当り ヤギ
ケース2 扉2が当り 自動車
ケース3 扉3が当り 自動車

3つのケースのうち2ケースで switch すると自動車を得るので、switch して自動車を獲得する確率は 2/3となる。

②特定事象による条件付確率あるいは事後確率の問題設定での答えを、標本空間の階層構造を四角形の積み重ねで表現しながら、その中に扉の絵を書き込む方法

特定事象による条件付確率あるいは事後確率の問題設定での答えを、標本空間の階層構造を四角形の積み重ねで表現する人は多いが、Wikipedia(英語版)の"Monty Hall problem"の記事のように扉空間を表す図を画き込んでいる例は珍しい。(2010年8月8日現在)
マス目のそれぞれに、3つの扉のイラストが書き込まれていて、現在開いているのかいないのか、扉の裏に何があるのか、挑戦者が選んだ扉はどれか、などが絵だけ見ても分る巧い画き方である。ヤギが愛嬌たっぷりの表情であることも特徴である。
また、多くの説明がそうであるように挑戦者が選ぶ扉を扉1に限定している。

Wikipedia(英語版)の図を参考にして、イラストを文字表現に置き換えるなど大幅に簡略化するとこうなる。

扉3が当たり

ヤギ
 
ヤギ
 
  車  
 

扉1が当たり

  車  
 
ヤギ
 
ヤギ
 

扉2が当たり

ヤギ
 
  車  
 
ヤギ
 

挑戦者が
扉1を選択
ヤギ
pick
ヤギ
 
  車  
 

挑戦者が
扉1を選択
  車  
pick
ヤギ
 
ヤギ
 

挑戦者が
扉1を選択
ヤギ
pick
  車  
 
ヤギ
 

ホストが
扉2を開く
ヤギ
pick
ヤギ
開く
  車  
 

ホストが
扉2を開く
  車  
pick
ヤギ
開く
ヤギ
 

ホストが
扉3を開く
  車  
pick
ヤギ
 
ヤギ
開く

ホストが
扉3を開く
ヤギ
pick
  車  
 
ヤギ
開く




ちなみに、上の図から扉空間の図を除くとこうなる。

扉3が
当たり
扉1が
当たり
扉2が
当たり
挑戦者が
扉1を選択
挑戦者が
扉1を選択
挑戦者が
扉1を選択
ホストが
扉2を開く
ホストが
扉2を開く
ホストが
扉3を開く
ホストが
扉3を開く



筆者もこのやり方を応用して特定事象による条件付確率あるいは事後確率の問題設定での説明図をいくつか考えてみた。
それらを 条件付き確率の標本空間と扉空間合体型説明方法の考案 で紹介します。

ここにあった図が 「条件付き確率の標本空間と扉空間合体型説明方法の考案」 の図とダブるので、2013/10/06 に削除しました。


文献



用語解説



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