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2017/05/20 14:12:49
初版 2013/06/14

わかるモンティ・ホール問題    
(わかるモンティホールジレンマ)

人に教えるときの注意点

このページは 2013/06/13 に作りました。
2013/06/15 に各とらえ方の表現を修正しました。
2017/05/20 にも各とらえ方の表現を修正しました。


モンティ・ホール問題の不思議さにつられて、ついつい人に教えたくなります。 そういうときにやりがちなミスを上げますので、気を付けてください。

問題のとらえ方がごっちゃになるミス

悪い例
挑戦者が選ばなかった扉の中からホストがハズレの扉を開けることは最初から決まっているから
ホストが 扉3 を開けても扉1 が当たる確率に影響しないので、
ホストが 扉3 を開けた後の扉1 が当たりである確率は 1/3 のままなので、
扉2 が当たりである確率は 2/3 になる。

良い例
挑戦者が選ばなかった扉の中からホストがハズレの扉を開けることは最初から決まっているから
ホストが を開けても扉1 が当たる確率に影響しないので、
ホストが を開けた後の扉1 が当たりである確率は 1/3 のままなので、
残った もう一つの扉 が当たりである確率は 2/3 になる。

まちがった例では、前半部分で
問題のとらえ方のページで示した「とらえ方②」
で論じていながら、後半部分で
問題のとらえ方のページで示した「とらえ方①」
にすり替わっています。

よく似た別のゲームになぞらえるときのミス

あまり良くない例 1
挑戦者が扉を選んだら残りの2枚に替えるチェンスが与えられて、 残りの2枚に替えたら、全部開ける前にいったんホストが ハズレの扉を開けて 見せるゲームを考える。
こういうゲームも本来のゲームも結果は同じだ。
ホストが開ける前に扉を変えるゲームなら残りの2枚に替えた方が当たる確率が高いので、 本来のゲームもそうだ。

あまり良くない例 2
挑戦者が扉を選んだら残りの2枚のハズレ扉を一つ開けるということは、 挑戦者が扉を選んだら 残りの2枚の扉を合体 させて一つにすることと等価だ。
扉を合体させるゲームなら扉を替えた方が当たる確率が高いので、 本来のゲームもそうだ。

これらのように別のゲームになぞらえると、
問題のとらえ方のページで示した「とらえ方①」
ができなくなります。

こうした説明をしたいなら、
「挑戦者が当たりを選んだときにどっちのハズレ扉を開けるかというホストのくせの影響がない 厳密には別の問題」
だと言い添えましょう。

数学的にインチキな説明をしたくなるミス

あまり良くない例
扉を100枚に増やした場合を考えてください。
あなたが扉 を選んだらホストが あなたが選ばなかった扉の中のハズレ扉を 98枚開けます。
あなたが扉1 を選んだらホストが扉77 以外の扉を開けました。
扉を変えていいと言われたら、あなたは速攻で扉77 に替えるでしょう?
扉が3枚のときも同じです。

この説明は数学的に正しいことも間違っていることも述べていませんが、心理的に効き目があるので、 ちゃんと説明しても納得しない相手に補助的に使うとよいでしょう。

悪い例
あなたが選んだ扉が当たりの確率は 1/3 で、あなたが選ばなかった2枚の扉の中に当たりがある確率は 2/3 です。
ホストが開ける扉はあなたが選ばなかった扉の範囲に限られています。
そのため、ホストが扉を開けると、あなたが選ばなかった扉の中で残った扉に 確率 2/3 が 引き継がれます

私も長い間この説明を信奉していました。
しかし、この説明は確率をエネルギーか何かの実体のように錯覚しているので、 こうした説明は避けましょう。

ちなみに、この説明は次のような説明の親戚です。
あなたが選んだ扉が当たりの確率は 1/3 で、 あなたが選ばなかった2枚の扉の中に当たりがある確率は
    2/31 - 1/3

です。
ホストが扉を開けるとその開けた扉の当たりの確率が 0 だと確定するので、 あなたが選ばなかった扉の中で残った扉が当たりの確率は
     2/3 = 2/3 - 0
になります。
この説明では 事前の確率 2/3事後の確率 0 の間で強引に引き算しています。

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