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2013/12/23 13:28:18
初版 2012/03/03

わかるモンティ・ホール問題    
(わかるモンティホールジレンマ)

問題のとらえ方

2013/06/15 に各とらえ方の表現を修正しました。

モンティ・ホール問題を数学の問題としてとらえるとき、3つのとらえ方があります。

とらえ方① ホストが開けた扉を特定して、 残った二つの扉それぞれが当たりである確率を求めようとする

例えば、 挑戦者が扉1を選びホストが扉3を開けた場合に 扉1が当たりである確率と扉2が当たりである確率を求めたりするように、 ホストが開ける扉を特定して確率を求めようとするとらえ方です。
このとらえ方をすれば、賞品を隠す扉の決め方や、ホストが開ける扉の決め方に偏りあるような場合、そのことを反映して精密に確率を計算できます。
しかし、 switch して当ったかどうかの統計データだけでは確率を計算できません。

とらえ方② ホストが開けた扉は特定せずに、どれかの扉を開けたことだけ確認して、 挑戦者が選んだ扉が当たりである確率を求めようとする

例えば、 挑戦者が扉1を選びホストが扉1以外のどれかの扉を開けた場合に 扉1が当たりである確率と;扉1以外の残りの扉が当たりである確率を求めたりするように、  ホストが開ける扉を特定しないで確率を求めようとするとらえ方です。
このとらえ方ではホストが開ける扉の偏りに関する統計データがあっても活用できません。
しかし、 switch して当ったかどうかの統計データがあれば確率を計算できます。

とらえ方③ ホストがいずれかのハズレの扉を開けることは最初から決まっていることだとして、 switch すると当たる確率を求めようとする

挑戦者が扉を選んで、 ホストがいずれかのハズレ扉を開けてから 挑戦者が扉を switch すると当たりになる確率を、 ホストが開けた扉がどれか気にせずに求めるときの、問題のとらえ方です。
ホストが挑戦者が選んだ扉以外のハズレ扉を開けることがは最初から決まっているとして確率を求めようとしています。
このとらえ方はホストが扉を開けない可能性がある場合にはできません。
しかし、 条件付確率の計算方法を知らなくても確率を計算できます。


賞品を隠す扉の決め方や、ホストが開ける扉の決め方に偏りあって、しかも挑戦者がその情報を事前に入手できる場合には、 扉の選択を変更すべきか判断するとき、とらえ方①で判断した方が、とらえ方②や③で判断するよりも有利にないます。

モンティ・ホール問題に詳しいと自認している人たちでも、これら3つのとらえ方があることを理解している人は非常に少なくて、 Wikipedia(英語版)の"Monty Hall problem"の記事(2012年3月19日20:49版)の"Criticism of the simple solutions"の項でも、 とらえ方①とその他を区別しているが、とらえ方②と③の区別はしていません。 (ホストが必ず扉を開けてくれるなら②と③を区別しても意味が無いので、気付いていて省略しているのかもしれません)

このように3つのとらえ方がありますが、確率論の基本である「標本空間」の考え方に立脚すれば、 同じ方法でこれら3通りの答えを出すことができます。ベイズ理論もディシジョン・ツリーも必要ありません。


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